大学とクリニックの狭間で 地区医師会会誌への寄稿文(その2)
医療情勢に眼をむけます。12年前と違うことは、都会ではどこでもある競合クリニックの存在とチェーンクリニックの勃興でしょうか。
クリニック選びをスーツ選びに例えてみました。スーツを買うことにしましょう。近年、都内の耳鼻科新規開業の半分はチェーン店といわれていますが、スーツにもチェーン店があります。皆さんはチェーン店に行きますか。あるいは、デパートのオーダーサロンに行きますか。はたまた、専門店にいきますか。
安く簡単に済ませようと思えばチェーン店に行きますよね。ただ、高級なものを求める場合、デパートに行くことをまず考えてみると思われます。ただ、いい生地が見つかっても誰が作るのか顔がみえません。その前に誰に採寸してもらうといいかわかりません。いろいろな人がいるのでそれぞれの方の考え方、仕事の進め方ひいては能力がみえません。
専門店はどうでしょうか。敷居が高いのが問題です。飛び込みで行くのも勇気がいります。ただ、本当にいいものを求めている人、今まで量販店やデパートで満足できなかった人はネットで調べてでもこられるでしょう。
大学は何といっても永久不滅のブランドで老舗のデパートといってもいいでしょう。最新鋭の大型機器が揃っています。一方、チェーンは今までのノウハウの蓄積、スタッフの回し方、薬・機器・電子カルテ(データ)の一括購入・管理などでメリットをもっていると思われます。あるチェーンのオーナーが、耳鼻科は「吉野屋」じゃないと駄目だと、教えてくれたことがあります。確かに「吉野家」のニーズは相当高いようです。今回、「デパート」や「吉野家」では満足できないときに、ふらっと来ていただけるようなクリニックを作ることができたらと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
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